想いを伝える印刷の力

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先日、友人のお誘いでオープンしたばかりのブックカフェにおじゃましてきました。「本当にこの辺にブックカフェがあるの?」と思わずにはいられない山の中の道を通った場所に、ご自宅を改装されたブックカフェはありました。

森の静けさの中、広々したリビングにはたくさんの本があり、絶版になった本も並んでいました。

本とともに、目に止まったのは、小さな活版印刷機がふろくとして付いている「大人の科学マガジン」。自分で組み立てて活版印刷機を作れるキットらしく、店主の方いわく「この本を読んでいたら、どうしても活版印刷をやってみたくなって。」と一冊の本を紹介してくれました。

「活版印刷三日月堂 星たちの栞」ポプラ文庫 ほしおさなえ

印刷会社で働くものとして、気になったので購入して、早速家で読んでみました。

“古びた印刷所「三日月堂」が営むのは、昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。

そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心を解きほぐされていくが、店主の弓子も何かを抱えているようでー。”「活版印刷三日月堂 星たちの栞」あらすじより引用。

面白く、一気に読み進めてしまったのですが、この本を読んで印刷とは、想いを乗せる船のようなものだなと感じました。大切な人へ送るレターセット、喫茶店のコースター、栞、結婚式の招待状。どれも依頼主の想いを乗せ、運んでくれるもの。店主の弓子さんがひとつひとつのご依頼に向き合って、丁寧に仕事を進める姿に胸を打たれました。

活版印刷の魅力と、人々が伝えたい想いを届ける印刷という仕事のあり方を再確認できた小説でした。

私の仕事は広報ですが、お客様からご依頼いただく印刷物は、想いを伝えるためのもの、改めてその想いを大切にしていきたい、そしてその想いをより多くの方に知っていただけるように弓子さんのように丁寧に仕事に励みたいと思いました。

この本を読んで以来、活版印刷に興味深々です。いつか自分の手で印刷してみたいです。

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