紙の経年劣化

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「スキャンロボットのテストでページが外れてしまった」と社員さんから連絡をもらい、急いでお客様に連絡すると共に現場へ確かめに行きました。お客様にお電話するとお客様からは「もともとテスト用でお渡ししているものなので大丈夫ですよ!」の返答。そう言えばそうでした…社員さんもそれはわかっていました。ホッと胸を撫でおろしました。

ロボットor手動?の判断

スキャンロボットにかけるか、手動のスキャナーで作業するの判断ですが、基本貴重書は手動のスキャナーで行います。今回はあくまでもテストケースになります。

関心のある方は以下もご覧ください。

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紙の経年劣化

保管状態にもよりますが長い年月により紙は水分も抜け変色し、割れやすくなっています。今回の雑誌はそれに該当しますが他にも以下のような経年劣化があります。

酸化(さんか) 紙の中に含まれる成分が空気中の酸素と反応して、茶色くなったり、もろくなったりします。 昔の紙は「酸性紙」と呼ばれ、酸化しやすくなっています。今回のものは酸化が進んで脆くなっているようでした。

湿気 によるカビやシミ

湿気が多いとカビが生えたり、紙が波打ったり。しみになったりします。

光(日光や蛍光灯)によるヤケ   紫外線が紙の成分を壊し、黄ばみや色あせを起こします。

虫喰い              紙は有機物なので虫やカビなどの餌になり、虫に喰われると穴が空きます。ご関心のある方は国立国会図書館で資料の保管等について詳しくまとめているので参考になるかもしれません。

国立国会図書館 資料の保存修復に関して

改善点

製本様式による強度の違い

劣化状態の定量評価

経年変化の年代による作業レギュレーション、基準の再設定

などを中心に更にレベルアップをして行きます。

おわり

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