ミッション「『Do The Right Thing 〜正しいことをやろうぜ!』の意味とは?」

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本日は幹部会議である経営改善会議でCSR報告会のテーマについて議論がなされました。そこで昨年のCSR報告会のテーマだった「Do The Right Thing」について改めてみんなで議論しました。そして私の考えをみんなに伝えました。改めて思いを伝えます。

これまでのスローガン「環境印刷で刷ろうぜ」に加える形でミッション「Do The Right Thing 〜正しいことをやろうぜ!」を発表したのは昨年、2024年11月12日に行われたCSR報告会でした。

気になったある大企業社長の挨拶

ある植樹イベントでのスポンサーの大企業社長のご挨拶が気になり、「正しさ」.について考えるきっかけになりました。

「紙を大量に印刷し使っている企業の責任として私たちはSDGsに取り組み、ペーパーレスを推進しています。今日はその罪滅ぼしとして我が社も植樹に参加しました!」

当時、SDGsへの関心の高まりから、企業各社がその取り組みをPRしようと懸命に競い合っていたような状況がありました。ですからついこんなご挨拶をされたのでしょうが、いくつか正しくないなと思いました。

紙の使用は環境に悪いのか?

これは詳しくは別の機会にしますが、リサイクルの仕組みや植林の仕組みがすでに出来上がっているのが我が国の状況です。リサイクル率の向上も含め、紙の使用が森林減少につながっている、とは言えない状況です。もちろん無駄な紙の使用はお勧めしませんが。

植樹した樹木は紙の原料になるのか?

こちらで植樹した植樹はタブノキ  スダジイ アラカシなどで一般的に洋紙材料として使われているとは聞いたことがありません。おそらくイメージで紙=原料は木→なので木は減少→紙を使うこと=木は減少 と捉えてご挨拶されたのでは?と思われます。

「正しい」とは何か?

このケースでも言えますが、信じて何気なく言ったこと(紙を使う=罪)で、紙を生業にしている人などを傷つけてしまうだけでなく、周囲の人々にも誤った認識をひろめてしまう。これは怖いなと思うと共に、経営者としての挨拶は責任重大だなと思いました。

毎年同じご挨拶を頂くので、正しい情報をこちらの社長さんにお伝えしようとアポとりしましたが、残念ながらコロナでお会いできなくなり、その後社長さんは交代されました。

「紙の神様」に問う

人々にとって紙はどのようなものなのか?

その答えを探るべく「紙の神様」に会いに行きました。

大川 哲郎
紙の神様に挨拶。「文化や歴史をよく考えてから『ペーパーレス』とか「環境」とか言いなさい」とのお告げ😅。#岡太神社 #紙 #紙の神様

人間国宝の岩野氏から話を聴く


人間国宝・岩野市兵衛さんと 2024年2月

ピカソからもオーダーがあったという越前和紙づくりの人間国宝岩野市兵衛氏からもお話をお聴きしました。お話の中から自然と共に生き、和紙を作って来た歴史が脈々と受け継がれていること、その厳しさと共に到達している必然性(岩野氏の紙が選ばれる理由)を理解しました。

ペーパーレスの必要性を理解しながら、紙の有用性を伝えていく

「紙の使用は悪」「印刷はいらない」というスタンスの方々は残念ながら少なくありません。

でもそれに抗って「紙は悪くない」という紙の復権運動のようなことをやるのは賢明とは言えないと思いました。印刷するなら「環境印刷で刷ろうぜ」という気持ちは捨てないけれど次に進む必要性を感じていました。

思考停止しない

何が「正しい」のかは非常に判断も説明も難しいことがあります。でも「難しい」からと言って思考停止になってはいけない、という気持ちで「Do The Right Thing〜正しいことをやろぜ」をスローガンにしました。

スパイク・リー監督の「Do The Right Thing」にインスパイア(ネタバレあり)

映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』ネタバレあらすじ結末と感想|映画ウォッチ
映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』のネタバレあらすじ結末と感想。ドゥ・ザ・ライト・シングの紹介:1989年アメリカ映画。スパイク・リーの黒人差別を題材とした作品。最後のシーンに人種差別に暴力で闘うのは愚かであるというマーティン・ルーサー・キン...

スパイク・リー監督の作品 映画「Do The Right Thing」の最後にはキング牧師の言葉が紹介されています。内容的には以下のような感じです。

「人種的正義を達成する手段としての暴力は、非現実的であり、不道徳だ」 暴力を使えば、どんなに正義のためでも、「目には目を」の報復の連鎖となり、結果的にみんなを盲目にしてしまう。 暴力は、相手を打ちのめすことで理解を得るのではなく、屈辱と破壊を目的とする。愛ではなく憎しみに根ざし、共同体を破壊し、「対話」ではなく「独白」にしてしまう。 暴力はやがて自らを破滅に導き、生き残った者には苦味を、破壊者には残虐さを残す。」

そしてその後にマルコムXの言葉も紹介しています。大意はこんな感じです。

「アメリカにはたくさんの善良な人々がいる。しかし同時に、悪意を持った人間も大勢いて、そうした連中が権力を握り、あなたや私が必要とするものを妨げているのが現実だ。

この状況がある以上、私たちはこの不条理を終わらせるために必要な手段を取る権利を守らなければならない。

それは私が暴力を支持するという意味ではない。だが同時に、自己防衛のための武力行使に反対するつもりもない。

私は自己防衛の行為を“暴力”とは呼ばない。これは“知性の行使”だと考えている。」

スパイク・リー監督はこの2つの正義を観客に突きつけて、映画の核心である「正しいこと”Do the Right Thing”とは何か?」という問いを浮き上がらせています。

2026年2月26日@ニュースパーク、大川印刷の「Do The Right Thing」を検証

昨年に引き続きCSR報告会が「Do The Right Thing〜やり方より在り方」をテーマに開催されることが決まりました。

おわり

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