この人のことを書くのには少し躊躇してしまいます。なぜならひとつに自分が悲しんでいた時のことを思い起こさせるからです。そして二つ目にこんな暗い世界を人に知られたくないからです。
しかし素晴らしいアーティストであり、クリーム時代のエリック・クラプトン始め多くのアーティスト影響を与え、カバーもされました。
しかしその独特で寂しげな高音のボーカルを再現する人はあまりいなかったと思います。では代表曲をライブで。貴重な映像が残されています。
私はこの独特なギタースタイルや唱法に興味を持ち、「Bentonia スタイル」なるミシシッピー・デルタ・ブルーズの存在を知り、1990年前後に2度ミシシッピーに行きました。2度目の訪問時にBentoniaスタイルの数少ない継承者であるJack Owensの自宅を訪ねました。彼についてはまた別の時に書きます。彼のギターを光栄にも弾かせてもらうと確かオープンEmチューニングという聞いたことのないチューニングでした。が、これがこのもの悲しげなブルーズの秘密だったのです。
これらのブルーズマンから得たものとして、負けない、諦めない気持ちをもらいました。
悲しい時こそ悲しい音楽に浸る
悲しい時に元気な音楽を聴いて元気を出すのも一つの方法です。しかし悲しい現実、や変えられない現実(人の死など)は向き合わなければ乗り越えられないでしょう。忘れるのも一つの手ではありますが、どのように受け止めるか?そこに悲しいブルーズは影響するように思うのです。
「腹が減ってもBLUES。異性に冷たくされてもBLUES。BLUESは黒人だけでなく誰でも持っているものだよ。」ミシシッピー・デルタ・ブルーズマン、James Son Thomasの言葉です。
おわり

