今日は脱炭素経営にご関心のあるお客様がお見えになり、写真の電気も使わない、イベントにも使える活版印刷のご提案を差し上げました。この提案の話はまた別の機会にしますが、今日は何かとわかりにくい「カーボンオフセット」のお話です。
「カーボンオフセットをしています。」って何?
SDGsや気候変動に対する関心の高まりに対応しようと、カーボンオフセットした商品などが出てきていますが、カーボンオフセットした商品を売っていれば(買って入れば)良いのですか?、という声があるのも事実です。
カーボンオフセットとは?
自分や企業が排出した二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスを、他の場所での削減活動で埋め合わせる仕組みです。例えば、植林や再生可能エネルギー事業への支援を通じて、排出量を実質的にゼロに近づけます。気候変動対策の一つです。カーボンオフセット自体は良いことですし、進めても問題はありません。
注意したいこと
このようにカーボンオフセット自体は悪いことではなく、良いことも多いですが、特に企業や団体として注意たいことがあります。
カーボンオフセットの問題点は、主に次のような点です。
まず、排出を「実際に減らす」よりも「埋め合わせる」ことに頼りすぎると、本質的な削減努力が遅れます。
また、植林などの効果が長期的・不確実で、実際の吸収量を正確に測定しにくいこともあります。
さらに、途上国の土地利用をめぐる不公正や「グリーンウォッシング(見せかけの環境配慮)」の懸念もあります。
SBT※(Science Based Targets)と言った認定やCDP※(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)と言った企業評価を行う国際的イニシアティブにはカーボンオフセットはCO₂の削減量としてはカウントされません。それを理解する(お客様にキチンとご説明する)必要があります。
※SBT(Science Based Targets)は、科学的根拠に基づいて企業が設定する温室効果ガス削減目標のこと。パリ協定に沿い、地球の気温上昇を1.5℃以内に抑えるための取り組みです。
カーボンオフセット自体は問題ないのですが以下の点に注意が必要です。
※CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は、企業や自治体が環境への取り組みやCO₂排出量を開示する国際的な仕組み。投資家が気候リスクを評価する指標にも使われます。
「再エネ100」で運営しているかどうかはわかりやすい、ひとつの目安
いろいろお話をしてきました。イメージだけ求めるならカーボンオフセットもありでしょう。でも本当に気候危機を何とかしたいのであればちょっとした注意が必要です。購入している商品やサービスが再エネ100%で行われていれば電気の部分はCO₂を出していません。これについては前述のSBTにもCDPにもCO₂の削減量としてカウントされます。
更に納得感得られる「自家発電」
最近は再エネ電力の購入ができます。自社で使用する電力全てを再エネ電力に切り替えて購入すれば(購入していれば)再エネの会社になれる(お客様としてば再エネ100の会社を選べる)はずですが、厄介なことに再エネ電力と謳っているものにも一部石炭火力発電が含まれているものもあるそうです。(カーボンオフセットプロバイダーより)そこでやかりやすいのは「顔の見える野菜」と同じ考えで、生産者の見える電気を使っている会社なのだと思います。
大川印刷はカーボンオフセットのみや、再エネ購入で済ませず、自家発電を行うことで信頼性を高めたいと思っています。
おわり

