日本の伝統産業を今に引き継ぐ職人の方たちが一つひとつ、想いを込めて大切に作ったホンモノたち。
この伝統技術に培われた本当に良いものを21世紀の子どもたちの手に届けたい。お客さまのこの想いに賛同する職人の方たちと、子どもたちが幼い頃からホンモノに触れることのできる環境をつくり出しています。
弊社では、商品の説明書やラベルなどの印刷と印刷に関わる素材の検討を担当。また、説明書の制作には全ての人が子どもたちのために携われるよう、社会福祉法人かたるべ会(障がい者自立支援)との協働など、さまざまなチャレンジをさせていただきました。
チャレンジ1:印刷の工夫
■七宝(しっぽう)文様の表現
鮮やかな赤の円に重なって透ける七宝文様。この美しく、繊細なデザインを担当されたのは横浜を拠点に国内外で活躍されるNOSIGNER株式会社です。 担当デザイナーのイメージしている仕上がりを的確に表現できるよう、インキの濃度を10%刻みで変更してご検討いただきました。
■藍色 そして肌の質感
お客さまの主力商品である藍染商品の天然染料独特の美しい色合いをいかに印刷で再現するか。また、用紙の特性による色調変化の傾向をデザイナーに伝え調整していただきました。また、子どもの肌の質感の再現にはこれまでの経験をもとに、適切と思われる印刷線数(目の細かさ)240線をご提案いたしました。これら事前の検討やサンプルの準備により、最終的な印刷立ち会いの際にはご満足いただくことができました。温かな和紙のような風合い・商品の品質の素晴らしさを的確に再現するよう配慮を重ねています。
チャレンジ2:社会福祉法人かたるべ会との協働
「せっかく横浜でデザインしたのだから全てのカタログを横浜で創りたい」と、製本作業にも多様な想いを盛り込みました。
美しい赤の紐を帯留めの結び方で綴じられた商品カタログはそれまで社内で手作りされていましたが、製本作業を社会福祉法人かたるべ会へ委託することになりました。
■立体マニュアル
結び方は日本伝統の帯留めの結び方。若い方にはなかなかなじみもなく、根気のいる丁寧な作業が必要です。
お子さまの成長を促す製品づくりにぜひ障がい者の方にも参加していただくため、製本委託をご提案いたしました。
「作業が可能かどうか確認させてほしい」とのお話もあり、 “立体マニュアル”を準備、まず職員の方に結び方をレクチャーし、障がい者の方の得手不得手によって作業を分担、担当していただきました。
お客さまの想いを支える様々な職人の皆さまの丁寧なお仕事ぶりに触れ、その一翼を担うべくチャレンジさせていただいたことは、弊社にとっても自らの技術を磨くかけがえのない経験となっています。
今、お客さまの商品は世界でも注目されています。
一人でも多くの方に手にとって見ていただけるよう、微力ながら弊社も「ホンモノ」にふさわしい仕事を次世代に伝えていきたいと思います。