大川印刷では従業員さんの誕生会がある。
朝礼での誕生会の一コマ、手にしているのが誕生プレゼント
毎年、プレゼントを考える。
2016年度はマイボトル
環境対応を進める企業として、自販機の飲料を前提にするのではなく家から飲み物を持ってくれば、財布にも環境にも優しい。それに加えてマイボトルスポットなどで、割引も受けられる。
そして今年はマイ箸
実は7〜8年前にもマイ箸を誕生プレゼントにしたことがあった。
本社工場では仕出し弁当を取っているが、毎日使い捨てられる割り箸を何とかしたいと思ってプレゼントしたのだが、当時ほとんど使ってもらえなかった。
それでも何とか割り箸の使い捨てはやめたい、と従業員さんに提案したところ割り箸はやめ、その代わりいわゆるプラスチック製の「洗い箸」を使うことになった。
ところが新たな問題が起きた。洗い箸を使った人は自分で洗わず、常に女性が洗ってくれていたのだ。
これでは割り箸の使い捨てが無くなっても、素直に喜べない。これも何とかならないものか。
今年度は、ES(従業員満足)向上委員会が新たにマイ箸をプレゼントととして提案してくれた。
この箸、フツウの箸と違う。「はしながおじさん」という取り組みで、箸一膳購入すると児童養護施設にもう一膳が贈られる仕組み。
ところが、やはりまだ昼食の時に使っている人をそれほど多くはない。
そこでもう一度、朝礼でこの箸の話をした。
するとその箸を使っている1人の従業員さんから、発言があった。
「せっかく頂いたものだから使いましょう。第一、そうすれば女性ばかりに箸を洗ってもらうこともなくなるでしょう」
伝わっていたのだ。
そしてその日の昼、昼食後にまたびっくりする出来事があった。
別の40歳代の男性社員さんが、何とみんなの使った箸を洗ってくれたのだ。
私が「ありがとう!」と声をかけると、はにかみながら「ジェンダー平等っすから!」と言って箸を洗ってくれた。
思わず嬉しくなって慌てて写真を撮らせてもらった。
箸に込められた持続可能性やジェンダー平等への想いは伝わっていった。
心が温まる一瞬だった。
おわり
テレビ神奈川「神奈川ビジネスUp To Date~大川印刷」