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SDGsで変わる就活
企業の意識改革 奮闘する人も

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2021.02.18

2月18日(木)7:00〜、NHK「おはよう日本」ご覧いただけましたでしょうか!?

「SDGsで変わる就活」という特集内で取り上げていただきました。web記事はこちらから!

放送終了後、宮﨑が抱いた正直な実感をこちらに記します。

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「未来がないのに学校に行っても意味がない」。
 
当時、学校をサボってまで未来の危機を憂える同世代のことなどつゆ知らず、大学3年の春になれば当然やるものとして始めたのが就活でした。

2019年、スウェーデンから帰国し、ES提出、書類選考、面接と怒涛のようなスケジュールに明けくれましたが、その結果は惨敗の連続でした。「君の思うようにいかない」と言われた企業は、お祈りメールがくるのも納得できました。でも、面接で感じ良く対応してくれた企業からも、理由は明かされないまま不採用通知が送られてきたときは、その理不尽さに唇を噛み締めました。

私が大川印刷に就職をしたのは、SDGsに取り組んでいたから、環境印刷をやっていたから、という以上に、ここしか採用してくれる企業がなかったから、というのが本当の真実です。

就活生は黒子じゃない。自らの経験や情熱をないもの(真っ黒)にして、企業の背景になり下がる存在ではない。そう思って挑んだ就活は正直、負け戦でしたが、その思いは今も変わることなく、私の中にあります。

SDGsが声高に叫ばれるようになった昨今は、以前に比べれば、学生の声も聞かれているのかもしれません。

でも「SDGsに関心があり、行動力がある優秀な人材」ほど高く評価され(大川印刷では”人財”といいます)、社会課題なんて大袈裟なことを主張できないけど何かしたい、でも自己アピール力もなく、誇れる経験もない学生は淘汰されていくのだとしたら、それは果たしてSDGsなのだろうか?という疑問があります。

多くの学生は、「無関心」なのではなく、「知らない」のではないか? 

OGとして立教大学の授業で学生と対話をし、感じるようになったことです。話せば話すほど、彼らは”3.5%予備軍”なのではないかと思い至り、口にはしないけれども感じてはいる学生たちに、教育機関や企業は何ができるのか、今のシステムで包摂しきれているのかと、考えます。

大川印刷といえばSDGs。そんな印象が広まる中で、新卒として入社し、現場で働く従業員さんの姿や想いに触れてきた身として思うのは、大川印刷の人たちは、評価されたいからやっているわけではなく、あくまで自らの仕事環境を改善し、確実にお客様に印刷物を届けたいから、といった一点にあるようでした。 

SDGsというと、あのカラフルな17のマークに直結しがちですが、私にとっての大川印刷は決してSDGsや太陽光パネルにあるのではなく、社長の変わらぬ「従業員さん」という言葉であり、朝礼の”ほめほめ”であり、工場の皆さんの白い作業着であり、お客様が見えなくなるまでお見送りするときの、一人ひとりのお辞儀の角度であったりします。 

決して世の中の大きな流れに迎合せず、非常事態でも平常運転に努め、真摯に印刷機に向かう姿勢は、一概にSDGsにたとえられるものではないような気がしています。

「正しく答えられることより、正しく問えること」が肝要ではないか。  

SDGsの時代であろうとなかろうと、学生だろうと社会人だろうと、本来そこに違いはないはずで、置かれた現実をどう変えていくかは、いつでも一人ひとりに委ねられていると思います。

とはいえ、「正しさ」ほど”扱いづらい”ものはありません。

先日公開された映画、『すばらしき世界』の西川美和監督は、
「映画の中のヒーローのような正義漢では世の中を渡っていけない。許せないやつをとっちめていいのは映画の中であって、今私たちが住む世界では、ほかに穏便で賢いやりくりをしないといけない。やっかいを起こさず、事を荒立てず、大きな声を出さず、スマートに生きることが、マナーとして求められている」と指摘しています。 

かつて、知り合いに、
「清く正しく美しく、では世の中動かない」と言われた自分としては、耳の痛い言葉でした。現実は険しく、他人(ひと)はそう容易く変わらない。歳を経るほど、お金が絡むほど、変わらない。たった一年にも満たないですが、”社会人”になった私が、確信するようになってきたことです。

「だけど、そうは言っても人間捨てたものじゃないというのが、この作品の鍵だと思う」と、西川監督は付け加えます。
「どんなに世の中すさもうと、そればかりでないのが人間だと思う」。
それは私が”人間活動家”と名乗る意味にも重なっていました。

傷つけたり傷つけられたり、何かとせわしないですが、たしかにそればかりではない、とも確信してきています。

「言っていいことと悪いことを気にしてる場合ではない」。
”社会人”になってからも、そんなグレタの言葉を踏襲し、働く日々は、未だ困難の連続です。

こうしている間にも、あっというまに、今日一日が終わろうとしています。
(ゼロエミッション達成まで残された時間は少ないのだけど、週末くらいは「ボーッと生きたくもなるよ」) 

>>パダワン宮﨑の過去記事はこちら

気候危機を救う「3.5%」は誰なのか?

 

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