9月30日、青海展示場(ビッグサイト)で開催された「脱炭素経営EXPO」に行ってきた。
一見して予想を超えるはるかに多くの人が来場していることに驚いた。
更に驚いたことに男性比率が異常に高い。自分も人のことを言えたものではないが、ダークスーツのオジサン中心。
「脱炭素経営、こんなことになっているのか!!」と驚きを隠し得ない状況だった。
見学の後知人の大学教授と話をしたが、企業での動き、実はかなり動き出しているらしい。
ジェンダー平等まだまだの日本企業としては男性の担当者がたくさん来ていた!?と言う構図か。
さて肝心の脱炭素の点について触れておこう。
各業界で脱炭素に関する取り組みはこれから加速化していくことが予想される。
これは今後炭素税といったものも視野に入ってくるのではないかと思われる。
そのため企業は今から脱炭素に舵を切るため、様々な動向を見に来ていたのではないか。
流れをご存じない方のためにもすごく簡単に触れておくと・・・
1.パリ協定後の1.5度目標(産業革命以前の気温から気温上昇を1.5度までに抑えようという目標)に世界や企業は動き出している。これは「私たち人間の活動が地球温暖化に関係していることが疑いの余地がない」と先のIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の報告でもあったように、世界各地で起こっている自然災害や気象災害を防ぎ、命を守るためにも重要な問題として、世界全体で取り組まなければならない。
2.そのような企業及び社会の変化に伴い、企業の持続可能性や長期的な成長を考えた時、これまでの売上と言った財務情報だけでは企業を評価することはできなくなった。
3.そこで投資家たちはESG(環境・社会・企業統治の英単語の頭文字からとった)投資という視点で企業を評価することになった。
4.海洋プラスティック問題やSDGs(持続可能な開発目標)などの問題がテレビなどを通じお茶の間でも知る機会が増え、投資家のみならず生活者、市民も関心を持つようになってきた。
5.政府も脱炭素法の成立など、法律も関係してきた。
ざっと簡単に触れるとそんな流れがここ何年かで進んできた。この流れもあって企業も変化せざるを得ない状況になっている。石油関係の企業がこぞって再エネ事業に乗り出しているのをテレビCMなどでもご覧になっているだろう。それは正にこの流れだ。
さて話を脱炭素経営EXPOに戻そう。
大川印刷では2016年より脱炭素を推進するため、まずは事業活動(材料関係を除く)における年間のCO2排出量全量をカーボンオフセット(排出しているCO2を計算し同等量の排出権を購入し相殺する取り組み)の形でゼロ化をおこなってきた。
カーボンフリーコンサルティングさんの記事で新聞全文が読めます。
この段階で自社工場や所有する自動車などのCO2、購入しているエネルギーとしてのガスなどのCO2のゼロ化はできていたが、カーボンオフセットというのが満足できなかった。
お金を出せば相殺してくれる・・・。なんか気持ち悪い。
ということで、更に再エネ100を目指すべきと決め、2019年自家発電で工場で使用する電力のおよそ20%を、残りの80%程度を青森県横浜町の風力発電による電力(FIT、別途カーボンオフセット済)を購入し再エネ100を達成した。
しかし脱炭素の道はまだ険しい。現段階では紙やインキなどの材料を製造する際に発生するCO2や製品の廃棄などに関するCO2のゼロ化がまだ残っている。それらは自社が直接排出しているわけではないが、カウントして削減していくのが世界のルールだ。現在この部分(サプライチェーン排出量の内のスコープ3というカテゴリーになる)はジョブ毎(お客様のご注文された製品毎)で有償ではあるがゼロ化サービスも2021年9月より開始した。詳しくは別に触れることとする。
と、ここまでが大川印刷の脱炭素の状況だ。まとめると・・・
【大川印刷の脱炭素状況】
年間のCO2全量を再エネとカーボンオフセットでゼロ化(お客様追加負担なし)
紙やインキなど原材料の製造時に発生するCO2はご注文製品毎に有償だがゼロ化可能
さて、以下の写真は日本WPA協会のブース
こちらの協会ではLCA(Life Cycle Assessment。商品・サービスの原料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して環境負荷を定量的に算定する手法のこと)のデーターベースを元に、運営するCO2排出量算定ソフトで印刷物全体のCO2排出量を算出できるようにしている。そして会員はそのソフトや仕組みを利用できることが可能。これも別の機会に触れたいと思う。
と言うことで弊社も入会した。日本WPA協会に入会したことで、ブース展示の中で社名を入れて頂いた。
話は変わるが昨日、「地球バカ一代」というテレビ朝日の番組を観た。
そうしたら友達の染谷商店の染谷さんがでているではないか!!
環境問題に取り組む中小企業経営者。そしてその取り組みや人物をバラエティで笑いも交え取り上げられる時代になった!!!
「環境問題について呼び掛けても伝わらない」そんな時代はもはや過去のものになった!
なんともうれしくなって、染谷さんにメッセージ送っちゃったよ!( ´艸`)
おわり