豊田通商さんのご依頼で講演。事前の打ち合わせでかなりしっかり話し合ったことで、こちらもいつも以上に熱のこもった講演となった。
社会課題解決を見る視点がおもしろい。
「大川印刷の社会課題解決を見る視点がおもしろい。その点に触れて欲しい」といったご要望があったので改めて考えてみた。
現代は気候危機と人権の時代だと思っている。私が20歳以前後の時、父が医療事故で亡くなった事件から立ち上がるきっかけになった黒人音楽をリブランディングの題材にしたことによって、社内にもいろいろな変化が起きたと感じている。
現代は外国人技能実習生の問題は正に現代奴隷だと思うし、コロナによって起きた分断や対立、差別も現代差別の例だと感じている。そのような時代だから、黒人音楽のスピリットや人権や差別に関する意識が従業員さんたちにも少しづつ芽生えているのかもしれない。「知識は自由であり、無知は奴隷である」と言うクレドはマイルス・デイビスの言葉と伝えられているが、従業員さんそれぞれが自分の気に入ったクレドを名刺やホームページのスタッフ紹介に入れている。以下のようにだ。
個々の経験から湧き出る課題感や希望こそが行動の原動力
しかしながら、社会課題解決に気づくようになれたとしても、実際に情熱をもって取り組めるとは限らない。むしろとても難しいと言わざるを得ない。
そこで重要視しているのが、個々の経験を少しでも相互に知り合い、そしてそこから湧き出る課題感や希望を共有する取り組みだ。これらは主にワークショップを通じて進めていくが、このような活動を通じて、まず心から自分が課題と思っていることや、実現させたいことなどを醸成していく。そして互いに応援し合えるよう、日常からも話し合う機会をできるだけ作るようにしていく。やはり「自分の想い」というものに勝るものはないのだと思う。
「浸透」ではなく「共有」「共感」
よく「社内に浸透させるのにはどのようにしたら良いか?」?と言う相談を受ける。
だが、この「浸透」自体が良くないのだと感じている。
なぜなら「浸透」多くの場合は「上から下へ」のものであって、常にやらされ感を伴うものではないか。
そうではなく、「共有」と「共感」、それも五感を伴ったものにすることを大切にしている。
以下の写真は食品ロスについて考える取り組みとして社内で開催した「サルベージパーティー」だ。消費期限切れ前の食材を従業員さんたちが持ち寄り、その場で調理して飲み会を行った。こんなのが五感を使った共有と共感をアップする例だ。
他にも以下の写真の「ノーカーデー」もユニークだ。工場勤務の人は自動車通勤の人が多い。
会社で飲み会をやっても、車で皆来てしまうので、飲み会にならずお茶会になってしまう。
だったらみんなで車を置いてCO2削減につなげよう。そしていつもと違った公共の交通機関を使って気づいた花や町の風景などをインスタグラムにあげてコンテストにしてしまおう、といったもの。これも大変面白いものとなった。
このような事例のいくつかを交えてお話させて頂いた。
大川印刷では具体的にお客様の企業での課題解決に関するアイディア出しやコンサルティングもお承りしている。気軽に「お問い合わせ」よりご相談ください。
おわり