フランス政府は、鉱物油の使用に係るフランス独自の規制として、2023年1月1日から包装材、商業用宣伝のための未承諾広告チラシ(ダイレクトメール)およびカタログへの鉱物油の使用を禁止しています。
同禁止措置の具体的な施行規則は、5月3日公布のアレテ(省令) により定められており、この禁止は、廃棄物リサイクルを妨害する物質を含む鉱油に適用されます。
同省令は、禁止の対象となる「鉱物油」を「インキ製造に使用される石油系炭化水素を原料とする油脂」と明示。禁止対象物質を以下と規定しました。
【対象物質】
1.1~7個の芳香環を含む鉱物油芳香族炭化水素(MOAH)
2.16~35個の炭素原子を含む鉱物油飽和炭化水素(MOSH)
【対象範囲】
2023年1月1日から 未承諾広告チラシ(ダイレクトメール)およびカタログへの使用禁止
2025年1月1日から 一般向け印刷への使用禁止
【規制値・規制開始時期】
1.2024年12月31日まで
・質量濃度でMOAH1.0%を超えるインクの使用
2.2025年1月1日から
・質量濃度でMOAHおよびMOSHが0.1%を超えるインクの使用
・質量濃度で3~7個の芳香環をもつMOAHが1ppmを超えるインクの使用を禁止
印刷インクが基本的にミネラルオイルを含まない場合でも、原材料の不純物や製造工程に由来する少量のMOSH/MOAHがインク中に存在する場合があります。例えば、メタリック効果のある印刷物には、ミネラルオイルを使って粉砕された粒子が含まれている場合があります。
【なぜ鉱物油の使用を規制しているのか】
フランスの省令では、
①廃棄物のリサイクルを阻害する物質を含む鉱物油の使用禁止。
②人間の健康にもたらすリスク削減のために、リサイクルされた材料の使用を制限すること。
上記2点が法律で定められています。
【現状の対応】
2024年12月31日までの規制について、大川印刷で使用しているインキに関しては対応済です。2025年1月1日からの規制に関して、現状の法律の範囲内では大川印刷で使用している油性インキに関して、対応が可能です。UVインキに関しましては、各インキメーカーと対応方法を検討しているところです。