本村春美様
父と姉そして母 戦争が遺していったもの

2024.10.28

本村春美様からのご依頼で、自費出版書籍「父と姉そして母 戦争が遺していったもの」を再生可能エネルギー100%で印刷させていただきました。

戦時中、お父様からご家族へ宛てた日記風のお手紙や、14歳という若さで亡くなられたお姉様の日記を中心に、当時の様子や家族への想いがありありと綴られた貴重な記録を「本」という形にさせていただきました。

夫と娘を亡くし、二人の子どもたち(本村春美様とお兄様)を育て上げるのは、どれだけ困難な道のりであったでしょうか。ニューギリアの地で戦士された亡き夫へ宛てた手紙や、「東部ニューギニア慰霊の旅」に参加された際のお気持ちなど、お母様からの「平和」への強い想いが伝わってきます。

本村春美様より、コメントをいただきました。

①「この本にまつわる取り組みを教えてください。」

まず初めに、長い間の思いを「本」という形に納める事が出来て大変安堵し、嬉しく思っています。

【父の日記】
父はふるさとを、国をあとにして終戦(戦死)までの約六年の間、命をけずる戦地での日々を過ごしたことになります。約3ヶ月に亘る父の日記は、ほんの僅か日記をしたためる“ゆとり”があった頃のものなのでしょうか そんな中、一日の終わりのひととき、遠くふるさとや家族を思い、子を思う「父の心」になる。これも戦士のこころだったのでしょうか。

1歳で別れて父を知らない私にとって、この日記文に、姉、兄と共に自分の名前が記されていることは、とても嬉しく、誇らしい気持ちでした。「父の大きな懐の中に、確かに自分が居たのだ。」という安心感や喜びでも、また誇りでもありました。

父が「私」のことも、大事に思っていた事実、そして「私」が父の喜びでもあったのだと実感できる唯一のものでもありました。触れる度に、なんとも言えない嬉しい心地がしてくるのが不思議です。この年齢になってさえも。

【題字】
本の題字には大変苦労しました。「自筆で!!」などと、言わなければ良かった!!と後悔する程でした。

簡単そうで、上手く書けなく「父」「姉」「母」の字をーー。長い人生の中で、これほど頑張って書き続けたことに自分でも驚いた程でした。結局、思い描いた字には辿りつけませんでしたが、その過程では、父や姉、母を自分の中にとても身近に感じながら、時間を過ごすことができたと思っています。今となっては、とても幸せな時間だったと感謝しています。

【完成した本】
出来上がった「本」と出会った印象は、想像よりはるかに立派に移りました。面映ゆい心地でした。はたして内容をつり合っているだろうかと不安にさえなってしまいました。渋い色合いの表紙は、テーマと合っているように感じて、大変満足な心地がしました。

沢山の方々の力を得て完成したこの本には、たくさんの心がーーー今は亡き父・母・姉・兄、そして今を生きる子どもや孫たちーーーー沢山の思いが詰まった私の宝物になりました。皆様!!ありがとうございました。

②「数ある印刷会社の中から大川印刷を選んでくださったのはなぜですか?」
「ペンを執るきっかけ」と貴社「大判印刷」を知るきっかけは、双方共に、日頃愛読している朝日新聞の「湘南」の記事がはじまりで、知ることになりました。

貴社「大川印刷」については、2023年5月30日、横浜大空襲・被災78年、ヨコハマ「祈念のつどい」を取材された横浜総局・堅島記者の記事が発端でした。横浜大空襲の被災体験をお持ちの杉島様(95歳)の証言インタビューを貴社内スタジオで動画撮影された事やYouTubeに投稿されたという内容の紹介記事でした。すぐに拝見しました。

事業のかたわら、社会課題、中でも「平和活動」にも尽力されているとあり、大変感銘を受けました。

折しも、当時印刷の依頼先を模索していました。突然、この記事に出会い、その活動を知り、心を動かされました。唐突なお願いとは十分承知しつつも、自分が残したいと願っている本の趣旨からも、是非ともご依頼したいという思いが日々募りました。

今にして思えば、強い思いだけで、何の縁もなく、見知らぬ高齢の私事、勝手な依頼にきっと戸惑われたに違いありません。

幸いにも、広い心でお受けいただいて、感謝の気持ちと嬉しさで一杯でした。そして今日の完成を見る事ができて、心から感謝し、嬉しく思っています。

③「実際に依頼してみてどうでしたか?」
社長の大川様から、担当して下さる高久様をご紹介いただきました。2023年10月10日、初めて横浜の事務所を訪ねました。やや緊張した気持ちで伺いましたが、入口には可愛らしい「ウェルカムボード」に私達の名前を発見、ホッとし、お心遣いにとても感謝しました。いつも静かな事務所での打ち合わせを重ねてきました。

担当下さった高久様には、沢山のご苦労をおかけしたと思います。全くの初心者を相手に、完成までの約10ヶ月間、何度も静かに話に耳を傾けて下さいました。度重なる書き換え、差し替え、訂正などにも、連絡や相談、報告等も、電話・メール・宅急便等、必要に応じて対応していただきました。又、私の目には触れない完成までの工程の間、沢山の方々のお力をいただいたと思います。今となっては心苦しくも感謝の気持ちで一杯です。

【横浜大空襲の動画を撮影した今井よりコメント】
with GREEN PRINTINGで撮影した横浜大空襲の動画がきっかけとなり、本村様に大川印刷を知っていただき、本の制作のご依頼をいただけて、大変嬉しく思っています。戦争でお父様を亡くされた本村様とご家族の想いが詰まった本の制作に携わることができたことは、「平和」への想いを同じくする大川印刷として、大変誇りに思っております。今後もお客様一人ひとりに寄り添う姿勢を大切にしていきます。ご依頼、ありがとうございました。

・クライアント 本村春美様

・品名 父と姉そして母 戦争が遺していったもの

・色 表紙:カラー 本文:モノクロ1色

・紙 表紙:レザック80ツムギ 四六判210kg、見返し:色上質白茶・厚口、本文:上質A判46.5kg、コートA判57.5kg

・印刷方法 オンデマンド印刷

・その他 A5サイズ、無線綴じ

・ページ数 194p

・パートナーシップ

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