JR東日本さん「建築技術レベルアップ研修」で講演

2020.10.30

JR東日本さんからの依頼で、企業のSDGsに関する講演をさせて頂いた。

日ごろお世話になっているJRさん。子供のころは国鉄だったが、横浜国大付属小学校に通っていた自分にとって身近な存在、電車が根岸線だった。古くは木造の茶色、その後は黄緑か青色の電車だ。 愛すべきJRさんにいろいろとお話をさせて頂き、光栄な時間だった。

事前の打ち合わせの他、事前の質問なども頂き、関心の高さと真剣さが伝わってきて、こちらもいつもにも増して力が入った。

社内共有用に作ってくださっていたパネル

今回は以下に社内で一人一人の職員の方々が、やらされ感ではなく、どうしたら自分事として取り組むことができるか?について解説させて頂いた。

私の講演が普通のSDGsの講演と違うところは、経営者としてどのようにチームを作り、導いていっているのか?それをこれまでの数々のリアルな失敗を通じて苦しみながら練り上げてきた手法や事例を豊富に紹介させて頂くところにあると思っている。これは自分自身教えてもらいたくても直接教えてもらうことはなかなかできないことだった。私の周辺だと今現在、三承工業の西岡社長も同じように感じる。

まとめると以下の写真の内容

最近特に強調していることは「運命」と「使命」についてだ。

SDGsがブームのようにもなってきた中で、SDGsを知ろうとする人、学ぼうとする人が増えていくのはとても良いことだと思う。が、ゴールを達成するのに重要なのは「行動」であり、その原動力となるのが「運命」と「使命」に気づくことではないかと思っている。

CSRの悲劇

「社会貢献」と訳されたせいで、「チャリティ」「ボランティア」と理解され「余裕のある企業」「業績のいい企業」がやるものと誤解された。

更に悪いことに、「企業」の「社会的責任」なので、従業員さんにとっては他人事と思われ、「責任」なのでやらされ感がすりこまれた。

 

「地域や社会に必要とされる『人』と『企業』を目指す取り組み」

弊社ではCSRは「地域や社会に必要とされる『人』と『企業』を目指す取り組み」と翻訳し直した。会社のためじゃない。まずは自分のためになることなのだ、と。地域や社会に必要とされる「人」になっていれば、万一会社が潰れようと、必ず必要とされる。もっともそのような意識で働いている従業員さんばかりの企業だったら潰れない。「地域や社会に必要とされる企業」なのだから。

自分の会社さえ良ければいい、をなくす

SDGsの取り組みによって一体企業は何を期待するのか。

「業界で一番になりたい」「競争相手に勝ちたい」

そんな声もあるだろうし、理解できる。

もちろんビジネスで正しく社会課題解決を行うことは大いに進められるべきことだろう。

しかしながらここで考えなければいけないことがある。

なんのために、誰のためにやっているのか?

ということだ。

「自分の会社さえ良ければいい」といったことに無意識のうちにでもなってしまえば、どこかで歪みが起きる。

SDGsは果たして「勝ち負け」なのか?

ここまで話せばお解りいただけるだろう。

世界共通の目標なのだから、全世界、全ての人と企業が協力し合ってゴールの達成を目指すべきものなのだ。

SDGsは企業のイメージアップにつながる?

よくSDGsの勉強会などの案内に「なぜ取り組むべきか」という項目が書かれていることがある。

その項目のメリットの中に「企業イメージのアップ」と書かれているのを良く目にする。

気持ちはわからなくもないし、正しいとも思うが、その先を見させてあげる、示してあげなくて良いのか?といつも思ってしまう。

イメージはあくまでも「イメージ」であって、結果を生み出すのは「行動」。

 

運命と使命を通じた社会課題解決「Social Railway Company(社会的鉄道会社)」

コロナ禍にあってあらゆる企業がWITHコロナの経営戦略を練っているところだと思う。鉄道業界も多くの苦労をされている状況ではあるが、鉄道は多くの人々によって運営され、そして多くの人々が利用されるからこその人権の視点が重要だと思う。

駅でエスカレーターを使っていてよく、右側(関西では左側)をものすごい勢いで急いで上がっていく人々を見ることがある。煽り運転のごとく、素早く動けないお年寄りや年配の人を「チッ」と舌打ちしながら先を急いでいく。ベビーカーを使った子育て中の人たち、障がいを持った人たちなどへの配慮から飛び込み自殺をする人々、そしてコロナによって生まれる差別や区別等々、取り組むべき人や人権の課題は実に多い。

そして菅首相の掲げた2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指す取り組みにおいても鉄道が果たす役割は大きいだろう。

「海外の事例を」との事前の質問もあったので以下の例を。

これは弊社新入社員「パダワン宮﨑」のスウェーデン視察の際の写真から。

1時間の講演に30分間の質疑応答。

質問が絶えなかったのが印象的だった。

JR東日本さんの益々のご活躍を心からお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

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