大阪府印刷工業組合のセミナーにて講演
大阪らしい元気なチラシを作ってくださった。
「あの」なんてお恥ずかしい限りだが、半分お笑い感覚で作ってくれたんだろうと思っていたが、ふたを開けてみるとオンラインとリアルで合わせて約200名の登録
当初依頼を頂いたときの演題は「儲かるSDGs!」
かつてCSRの時もそうでした。
「大阪だとそのように書かないと集客がなかなかできない」とよく耳にしていました。
「でもそれはもうやめましょう」と演題の変更をお願いしていました。
なぜならSDGsはビジネスの世界では既に怪しい状態になってしまっており、表面的にSDGsを「やって」、或いはやっているように「見せて」済ませてしまっている企業も数多く見受けられるからです。
「今回は本気で考え行動する機会にするため、あえて今までの大阪の流れを変えましょう」と話をして、承諾して頂いた。
もっともこのような注意は自社の見直しにももちろん必要で、正しい取り組みになっているかどうかは常に注意が必要だ。
「儲かる」がつかない演題でも、北海道、和歌山、埼玉など他の都道府県の理事長さんも参加してくださり、過去最大規模のセミナーになったらしい。
それは政府が掲げた脱炭素宣言、そして脱炭素法の成立も大いに関心を高める結果になったと思う。
90分の講演に15分の質疑応答
質問も鋭い意見もあり、皆さんの真剣さが伝わってきた。
石灰石ペーパーを使わない判断をした理由は何か?
(こちらの内容は大企業で技術士として活躍される方からのコメントを元に回答しています。)
新素材の開発によって森林資源を守ることは重要だし、期待している。しかしながら素材などに詳しい専門家の方の意見を聴くと現状は以下のような状況にあるように感じている。
①その成分の多くはプラスチックなので、海に辿り着けば海洋プラスチックごみになってしまう。
「そもそも炭酸カルシウムが50%以上か以下かというよりも体積の半分以上がプラスチックの材料で、比重を考えたら大半がプラスチックです。(技術士の方のコメント)」
②アップサイクルのための回収の仕組みが進んでいない。
回収ボックスの設置や回収の仕組みを構築していくと言われているが、それらをめにすることは未だにほとんどない。
③そのため「燃やすごみ」を増やすことになる。
ごみとしての処分方法は「燃やすごみ」。従って回収されない限り適切に処分されたとしても燃やすごみが増えることになる。
④石灰石は燃やすと焼却炉を高温にし、痛めてしまう可能性がある。(技術士の方のコメント)
⑤石灰石ペーパーの紙は古紙として出されてしまう可能性がある。また無料で配布している袋はプラスチック製のレジ袋と見間違ってしまうため、プラに分別して捨てられる可能性がある。いずれの場合もリサイクル阻害要因になる可能性が指摘されている。
詳しくはオルタナ、緊急連載「石灰石ペーパー類」は本当にエコかが参考になると思います。
印刷業界も「環境にやさしい」といったあいまいな取り組みから、「環境に正しい」取り組みへと動き出す手ごたえを感じた。
大阪の皆さん、ありがとうございました。
おわり