緊急事態宣言解除後、講演のご依頼が増加してきている。
今回は流通関係、百貨店の方々を対象に講演させて頂いた。
内容としては
①現在の取り組みをはじめた背景
②現在の取り組みに至るまでの社内コンセンサスなどはどの様な経緯を経たのか
③取り組みの運用において現在工夫や苦労している点
④今後の改善の方向性
などを話して欲しいとご要望を頂き、お話させて頂いた。
概念的なことではなく実践できる具体例に更なる関心
昨今はSDGsに関する大量の書籍や情報があふれかえり、何をしたら良いかわからない人から、とりあえず「やっている」と伝えるのに一所懸命な企業まで様々な段階だと感じる。
これは弊社にも言えることだが、数多くの情報やお誘いがある中で、何が本当に正しいことなのかが分かりづらくなっているのではないか?そんな背景からも上記のような具体的な話のご要望が増えているのではないかと予想している。
脱炭素社会につなげる大川印刷の環境印刷、6つの特徴
1.再エネ100%「太陽と風で刷る印刷」
2.SBT (Science Based Targets )認定取得
3.スコープ1、2(直接および間接排出量)は会社としてゼロ化済み(自社印刷の場合のみ)
追加料金不要。
4.自社にてCO2排出量算出ソフトによりスコープ3 (その他の間接排出量)に関してもゼロ化対応可能
こちらは有償。
5.石油系溶剤を全く含まないノンVOCインキを99%使用
6.FSC®森林認証紙を74%使用 ※5,6共2020年度実績
これらいくつかを取り上げてみようと思う。
再エネ100%「太陽と風で刷る印刷」
工場の屋上に設置した太陽光パネルによる太陽光発電で工場全体のおよそ20%を賄う。
そして残りのおよそ80%を青森県横浜町の風力発電による電力をみんな電力さん経由で購入する形で再エネ100%工場を実現している。なお、このおよそ80%にあたる電力はいわゆるFIT(固定価格買い取り制度)の電力のため、環境価値がついていない。そのままでは「脱炭素」「CO2ゼロ」とは言えないため、弊社ではこの部分と自社において排出されるCO2を合わせてカーボンオフセットし、環境価値を付けている。
このような形で「太陽と風で刷る印刷」が実現している。
現在お問い合わせが急増している要因として、企業における事業活動全体のCO2排出量の削減の取り組みが加速しているためと思われる。
その関係性を絵で表したのが以下のスライド。
お客様にとっては自社で購入しているモノに関して、そのモノが製造段階で排出するCO2も「スコープ3」と言うカテゴリーで削減義務が生じている。これは印刷物も対象となる。わかりにくい仕組みなので、ご関心ある方は直接お問い合わせ頂きたい。
【お問い合わせ】
2021年2月、SBT (Science Based Targets )認定を取得
SBTの認定を受けようと思ったのは、日本の脱炭素政策が遅れていると言われているのを耳にして、世界標準に合わせておく必要性を感じたため。
その他、今後向かおうとしていることや取り組もうとしていること、そして特に人財育成の面では既に進んでいる、副業人財の活用による教育指導について少し触れた。
十分にお話しなかったのでフォローしておくと、副業人財の活用は横浜市も進めている事業。
現在弊社では映画監督1名、デザイナー1名が副業人財として働いている。
「副業人財」というのはあまりにも味気ないので「バディ」という名称で呼んでいる。
映画監督は映像や撮影の指導を、そしてデザイナーはチームとしての活動やデザイナーとしての考え方など、体系的かつ継続的に指導してもらっている。このように様々な形で活動が進んでいる。
もはや「SDGs」といった特定の名称では考え方が偏ってしまったり、自由な発想ができなくなると感じている。そのため、今後はSDGsという言葉に囚われず、サステナビリティや持続可能な社会の形成といった視点で取り組んでいく必要性を感じる。
おわり