「ブルーズクレド」の始まり
18歳の時、4代目社長である父を医療事故で亡くした私は、酷く落胆しました。
そこから立ち直るきっかけとなったのが1989年、初めて訪れたアメリカ南部で出会った、差別を受けながらもたくましく生きる黒人達と、彼らの生んだブルーズという音楽との出会いでした。それ以来、ブルーズと共に喜怒哀楽を歩む日々が今も続いています。
2016年、会社のブランドイメージを再構築するための「リブランディングプロジェクト」がスタート。
「それならばブルーズをブランドイメージにして、『ブルーズクレド』を作ってみては?」と言ったのは、私とブルーズとの関係を知った、NOSIGNERの太刀川瑛弼さん。これが「ブルーズクレド」の始まりです。
「クレド」とは、信条などと訳され、何か迷った時に拠り所となる考えを示したものです。先に創ってあった「7つのクレド」を元に、それに則した数多くのブルーズミュージシャンの名言を13個の「ブルーズクレド」として発展させました。
これらの全てが、大川印刷の考え方として説明をすることができるものとなっています。
株式会社大川印刷
代表取締役社長 大川哲郎
ブルーズクレド
1.思いやりと助け合いの精神
①“YOU SEE, WE ARE HERE, AS FAR AS I CAN TELL, TO HELP EACH OTHER; OUR BROTHERS, OUR SISTERS, OUR FRIENDS, OUR ENEMIES. THAT IS TO HELP EACH OTHER AND NOT HURT EACH OTHER.”
“私たちはお互いを助けるためにここにいるのです。私たちの兄弟、姉妹、友人、私たちの敵。お互いに助け合い、互いに傷つけることではありません。”
一Stevie Ray Vaughan
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
周囲に対する思いやりと助け合いの精神は、職場で働く仲間に対してはもちろんのこと、仕入先や協力会社、そして競合他社に対しても同じことであることを伝えたいと選びました。
②“WHEN THE POWER OF LOVE OVERCOMES THE LOVE OF POWER THE WORLD WILL KNOW PEACE.”
“「愛の力」が「権力愛」に打ち勝つとき、世界は平和を知るだろう。”
一Jimi Hendrix
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
世の中で「真実の愛」「純粋な愛」ほど強いものはなく、それこそが社会や世界を動かすものだと思います。
2.団結力と一体感
①“ONE THING I CAN SAY ABOUT OUR BAND IS THIS. IF YOU GOT SOMETHING GOOD TO LAY ON US, ENLIGHTEN US, BUT IF YOU GOT SOMETHING BAD TO LAY ON US, YOU CAN GET YOUR TEETH KNOCKED CLEAN DOWN YOUR THROAT MAN. DANGEROUS PEOPLE. LOVELY PEOPLE.”
“私たちのバンドについて言えるのは、良いものを持っているなら、それを聴かせればいい。しかし良いものをもっていなければ、ひどい批評にあうことになる。危険な人間。素敵な人間。”
一Duane Allman
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
私たち会社について言えるのは、企画・デザイン・印刷など、良いものを持っているならそれを顧客に提供すれば良い。しかし良いものを持っていなければ、ひどい酷評にあうことになる。だからチームワークやレベルアップが大切なんだ。
②“THE BLUES ARE THREE L’S – LIVING , LOVING AND HOPEFULLY, LAUGHING.”
“ブルーズの3つのL : 生きること、愛すること、そしてうまくいったら笑うこと。”
一B.B.King
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
印刷の3つのL : 生きること、愛すること、そしてうまくいったら笑うこと。
3.感じる心
①“BLUES IS EASY TO PLAY, BUT HARD TO FEEL.”
“ブルーズをプレイするのは簡単だが、感じるのは難しい。”
一Jimi Hendrix
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
印刷をするのは簡単だが、感じるのは難しい。
②“TO KEEP CREATING YOU HAVE TO BE ABOUT CHANGE.”
“創造し続けるためには、あなたは変化に敏感でなければならない。”
一Miles Davis
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
変化に気づく感じる心がなければ、創造し続けることはできない。
4.改善
①“PEOPLE ALL OVER THE WORLD HAVE PROBLEMS. AND AS LONG AS PEOPLE HAVE PROBLEMS, THE BLUES CAN NEVER DIE.”
“世界中の人々には問題があります。人々が問題を抱えている限り、ブルーズは決して死ぬことはできません。”
一B.B.King
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
印刷とは、紙にインキをつけることではなく、人々の課題を解決することである。
人々が問題を抱えている限り、印刷は決して死ぬことはできない。
②“THE BEAUTIFUL THING ABOUT LEARNING IS THAT NO ONE CAN TAKE IT AWAY FROM YOU.”
“学ぶことの素晴らしいところは、誰もあなたからそれを奪うことができないことだ。”
一B.B.King
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
問題意識を常に持つこと。そこからあなたが学んだことは、誰も奪うことはできない。
そしてその一つひとつは、会社にとっても財産である。
③“KNOWLEDGE IS FREEDOM AND IGNORANCE IS SLAVERY.”
“知識は自由であり、無知は奴隷である。”
一Miles Davis
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
知識は自由であり、無知は奴隷である。
ホワイトカラーであろうとブルーカラーであろうと関係ない。
知識は成長と自由を、仕事に喜びをもたらすが、
自ら学ぼうとしない人に仕事はつらいもの以外の何物でもない。
5.信用と信頼
①“TECHNICALLY, I’M NOT A GUITAR PLAYER, ALL I PLAY IS TRUTH AND EMOTION.”
“技術的に私はギタープレイヤーではない。 演奏するすべては「真実」と「emotion(強い感情)」だ。”
一Jimi Hendrix
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
技術的に私は【印刷屋】ではない。印刷するすべては「真実」と「emotion(強い感情)」だ。そんなことが言えるレベルになったらなんて素晴らしいことか!
※【 】内は自分の職種を入れる
②“DON’T BE THE BEST IN YOUR TOWN.JUST TRY TO BE THE BEST UNTIL THE BEST COME AROUND.”
“町で1番になるな。ベストが来るまで挑戦し続けろ。”
一Buddy Guy
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
自分の「ベスト」を自ら低くするな。真のベストがどこまでなのかは、自分でさえも挑戦し続けなければわからないことだ。
6.クレーム
①“KNOWLEDGE SPEAKS, BUT WISDOM LISTENS.”
“知識は話すが、知恵は聴く。”
一Jimi Hendrix
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
知識を身につけるとそれを他の人にひけらかしたがる人がいます。
知恵のある人は相手の話を傾聴します。
お客様のクレームに対して、まずは傾聴することが重要です。
7.歴史を創る
①“THE BLUES ARE THE ROOTS, EVERYTHING ELSE IS THE FRUITS.”
“ブルーズは根っこ、他のすべては果実。”
一Willie Dixon
【解説/社長から従業員さんへのメッセージ】
印刷は根っこ、他のすべては果実。
ルネサンス三大発明の一つである印刷は、情報伝達の基本であり、webやデジタルサイネージなど他のすべては果実。組版やレイアウトなど、基本ができていなければ、他のすべては台無しとなる。
ブルーズクレド アーティスト紹介
各アーティスト紹介:株式会社大川印刷 代表取締役社長 大川哲郎
Stevie Ray Vaughan(スティーヴィー・レイ・ヴォーン)
ブルーズに傾倒した白人ギタリストの1人で、数々の名演を残しています。1990年、乗っていたヘリコプターの事故で35歳の若さで亡くなりました。
Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)
アメリカを代表するギタリストの1人で、トリオ(3人編成)バンドの最高レベルに到達している1人だと、私は思っています。ギターを燃やす、壊す、など奇異に感じられる行動もありますが、その短い人生の中で、多くのクリエイティブな面を発揮しました。1970年、27歳で死亡。
Duane Allman(デュエイン・オールマン)
ロック史上に残る名バンド「オールマン・ブラザーズ・バンド」のリーダーであり、リードギタリスト。幼少期、強盗殺人にあい、父親を失っています。
人種差別の激しかった1960年代も、セッションマンとして、数多くの黒人シンガーのバックを務め活躍。その後自身のバンドで大成功を収めました。1971年、バンド絶頂期に、オートバイ事故により24歳の若さでこの世を去りました。
B.B.King(B.B.キング)
「キング・オブ・ブルーズ」と言われ、世界で最も多くの人に愛されたブルーズマンの1人。父を亡くしたあと、彼の大らかで温かいブルーズにのめり込み、父親のように感じていました。1989年、初めての渡米では彼のレコードを買いあさり、その後、来日時にもらったサインは宝物です。
Miles Davis(マイルス・デイヴィス)
ブルーズクレドの中で唯一「ジャズ」のジャンルに位置するトランペット奏者ですが、もちろんブルーズも演奏します。初めてアメリカでレコード屋に行った1989年、ブルーズとジャズのコーナーが一緒だったことを思い出し、彼の名言も取り上げようと思いました。
Buddy Guy(バディ・ガイ)
シカゴブルーズを代表するギタリストの1人。ブルーズクレドの中では唯一の現役。
Willie Dixon(ウィリー・ディクソン)
元プロボクサーでベーシスト。
1950年代、マディ・ウォーターズの大ヒット曲「フーチー・クーチー・マン」を始め、数多くのヒット曲を作りました。1992年、76歳で亡くなる3年前の1989年、シカゴブルーズフェスティバルでピンクのスーツでステージに立つ彼を目撃することができました。